システム思考

Systems Thinking

システム原型 06

強者はますます強く

STORY

勝者がすべてを手にする:

あなたの成功が私の失敗を生み出す

挙動(パターン)

システム原型

構造

システム原型

AとBが成功に重要な影響を与える同じ資源(リソース)にアクセスする状況の初期段階において、Aがより大きな配分を獲得することでAの成果・成功を勝ち得て、その成功がさらなるAへの資源配分につながりAは成功の好循環のサイクルに入ります(R1:Aの好循環ループ)。

しかし、Aの成功は、他者Bへの相対的資源配分を減少させ、より少ないリソースしかもたないBの成果・成功は減少(あるいはAよりも遅い成長)します。Bは成果が相対的に低いために、Bへの資源配分が減少し、Bにとっては成果がないためにリソースアクセスできない悪循環が形成されます(R2:Bの悪循環ループ)。

経路依存の例として、パソコンに使われているQWERT式のキーボードは、他のより生産性の高い方式があるにもかかわらず、タイプライターの方式に慣れたユーザーや指導者の数が多かったためにその後も支配的になりました(タイプライターでは早く打つと刻印が戻る際に絡まることを避けるため、意図的に早く打ちにくい配列になっているにもかかわらず)。

恵まれた家庭に生まれた子どもは、そうでない家庭の子どもに比べて、教育へのアクセス機会や質に恵まれ、その結果得られる収入が増えて、また恵まれた家庭をもつことが多くなります。一方恵まれない家庭では、教育へのアクセス機会や質が低いために得られる収入が低くなる傾向があります。結果、格差は拡大していることが米国や日本などで確認されています。

初期から期待をされる新入生や新人は、期待を集めることで成功に必要なリソースを集めやすく、成功する可能性が大きくなります。この期待が寄せられることでそれが実現する傾向を「ピグマリオン効果」といいます。反対に、初期に目のかからなかった新入生や新人には、期待やリソースが相対的に集まらず、成果を出しにくくなって悪循環となりやすくなります。

あなたの周りにもこのような状況はないでしょうか?
あなたなら、このような状況に陥った場合どうしますか?

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