サステナビリティ

Sustainability

サステナビリティ分野の歴史上重要な考え方やツールなど、近年の動向を踏まえてご紹介します。

地球ひとつ分の未来へ

今日本と世界では、政策課題、経営課題としての「持続可能性」が強く求められています。世界全体で私たち人間の営みによる環境への負荷は、地球が養える能力の1.7倍にまで増えており、世界の人々が今の生活を続けるには、本来地球が1.7個必要だということになります。人口増加は今世紀の半ばまで続く見通しで、今のような経済成長を求め続けると、さらにもっと多くの地球が必要となってしまいます。

しかし、地球は1個しかありませんし、その数は残念ながら増えません。私たちは今、未来の世代から資源を前借りして生き、返せるあてのない「借金」を借り続けている状況です。しかも、私たちは、生態系の劣化など地球の扶養能力そのものを減らし続けているので、その影響が世界のあちこちで見られるようにきました。

温暖化問題、食糧問題、水問題が人々の生活に被害をもたらしており、エネルギー問題も向こう5年ほどのうちに深刻化すると言われています。また、生態系の破壊が進み、生物種が急速なスピードで絶滅しており、地球上の生命はその多様性を失い始めています。その結果、新しい環境へ適応するための重要な知識資源を失い続けています。
これらの問題への国家・国際社会の対策は今後ますます加速することが予測され、企業や自治体もその社会的責任としての取り組みが強く求められています。環境経営、CSR経営は一部の会社のものとしてではなく、すべての企業・自治体の経営課題、政策課題なのです。

私たちの未来は地球1つ分でしか賄えないのですから。

成長の限界

1972年ローマクラブへのレポート『成長の限界』が発刊されました。それから、私たちは極めて難しい舵取りに直面しています。個々の人、あるいは組織の立場で言うならば、成長は重要な原動力です。しかし、地球全体から見ると、すべての人がそれを求めると地球の扶養能力を超え続けるというジレンマです。『成長の限界』から50年の足跡を振り返って紹介しながら、今の時代への意味合いについて考えます。
詳しく見る

ハーマン・デイリーのピラミッド

現在の経済成長は、果たして私たち人類の幸せへとつながっているのでしょうか?世界銀行の元エコノミストであったハーマン・デイリーが提示する、1つのフレームワークを紹介します。
詳しく見る

ドーナツ経済学

オックスフォード大学のケイト・ラワースは、21世紀にふさわしい新しい経済の目指すべき方向性を示すために「ドーナツ」のイメージを示しました。ドーナツ経済学がめざすのは、有益でも可能でもない「無限の成長」をではなく、「環境的な上限」を超過と「社会的な土台」の不足を回避し、二つの輪の間にある安全で公正な範囲を目指す、バランスの取れた繁栄を提示することです。
詳しく見る

C-ROADS/En-ROADS

システムダイナミクスを駆使して、気候危機やエネルギー問題などに取り組む米国のNPO「Climate Interactive」がMITと共同開発した政策シミュレーターのC-ROADSとEn-ROADSを紹介します。教育・研修からサステナビリティに関する戦略策定、GHGs排出ネットゼロへのロードマップやシナリオ策定に活用できます。
詳しく見る

社会的インパクト/変化の理論

「社会に創り出した価値(社会的インパクト)」を測定することで、プロジェクトへの支援を集めたり、支援への説明責任を果たそう、プロジェクト自体をさらに改善していこう、という動きが、世界に広がっています。また、組織やコミュニティの取り組みを通じて、なぜ、どのように変化が生じるかを図とナラティブにまとめる「変化の理論(セオリー・オブ・チェンジ)」を組織内外で示す重要性が認識されています。 こうしたソーシャル・イノベーション(社会変革)分野で注目されるこれらのアプローチについてご紹介します。
詳しく見る

社会変革のためのシステム思考

システム思考は、「なぜシステムはその挙動を示すのか」、そのシステムの構造を理解し、また「システムの挙動を望ましいものにするために、どのように構造へ介入すればよいか」について探求するプロセスです。社会に望ましい変化を起こすために必要なシステム思考のアプローチを紹介します。
詳しく見る

レジリエンス

レジリエンスとは、基本的な機能、構造、あるいはアイデンティティを保持しつつ、外部からの衝撃に耐える能力です。例えば衝撃を吸収する力、受け流す力、それから回復・再起できる力、そして外部環境に適応する力です。心理学や災害マネジメントの分野のほか、社会・生態システムにおけるレジリエンスを考えることへの政策的な関心が国際的に高まっています。
詳しく見る

システムチェンジ

システムチェンジとは、目的意識ある介入により、特定されたシステムの機能や構造を変化させ、現状を変化させるためにデザインされた意図的なプロセスです。システムチェンジと呼ぶには、一部の個人、組織、まちなどにとどまらず、広く社会システム規模で起こる大規模な変化であり、そのためには、多くの人々の態度や生活・仕事のやり方を根本的に変わることが必要となります。
詳しく見る

テーマ別にサステナビリティを考える

01

食糧問題

世界では、長期に及ぶ人口増加とライフスタイルの変化から食糧の消費量が増しており、それに対して生産量が追いつかなくなりはじめています。国内の農業の状況からは想像しがたい事態でありますが、世界的な食糧問題は、その60%(カロリーベース)を輸入している日本にとって深刻な 問題となっていくことでしょう。
02

気候変動

平均気温の上昇は、世界の各地で気候や地理を変動させ、より強度の暴風雨、洪水、干ばつ、熱波、海面上昇、生物種の減少、水不足、疫病、食糧生産量の減少などのさまざまな影響が推測されている。経済被害は世界のGDP総額の5~20%にも及ぶだろうと言われています。
03

エネルギー問題

世界では、向こう40年間ほどでエネルギー需要が倍増しようとしているのに、その間供給は現状維持がやっとかもしれない、という事態を迎えようとしていま す。省エネ大国の日本とはいえ、エネルギーの96%を輸入していますので、その影響は避けられません。日本の将来にとって、エネルギー政策はもっとも重要な課題のひとつです。
04

生物多様性問題

2005年に発表された「ミレニアム生態系評価」では、生物多様性への過去40年にわたる広範な損傷から生態系サービスの多くが悪化し、将来は更なる悪化 が見込まれて、人間の福利への大きな影響が懸念されています。経済的な損失は、森林サービスだけで今後50年間に世界のGDP総額の6%を失うと推定され、全生態系をあわせると世界のGDP総額の15-25%に及ぶとも言われています。

Mail Magazine

チェンジ・エージェント メールマガジン
システム思考や学習する組織の基本的な考え方、ツール、事例などについて紹介しています。(不定期配信)

Seminars

現在募集中のセミナー
募集中
現在募集中のセミナー
開催セミナー 一覧 セミナーカレンダー