組織が変わる

組織を育てるサービス・プログラム

ファシリテーション研修

あなたの組織は「ファシリテーション」を実践していますか?

複雑で変化の激しい時代、共有ビジョンのもとに現場が状況に応じて柔軟に適応して行動し、組織の構造とプロセスを進化させる「学習する組織」が必要であるとの認識は年々高まっています。その実践の鍵を握るのは、組織内外のメンバーの自律、学習、協働、共創を生み出す「ファシリテーション」の技術です。

ファシリテーションとは、「集団による知的相互作用を促進する働き」(※)のことです。集団による問題解決、知識創造や合意形成を促進する技術としてアメリカで生まれました。会議の効率化から組織開発、イノベーション創造、学校及び成人教育、社会変革まで、集団が共に話し合うさまざまな場面において知識創造活動を支援し促進していくために使われています。

※『ファシリテーション入門』(堀公俊)より

学習する組織など、組織開発・組織学習を進める組織において、集団の話し合いの場面においてファシリテーターの役割を置くことが常となっていきます。必要に応じて組織内外にいるファシリテーターのプロフェッショナルに依頼することもできますが、基礎的なファシリテーション技術を身につけて経験を重ねれば、組織内でマネジャー、リーダー、あるいは話し合いの促進を意図する人など誰もがファシリテーターの役割を果たすこともできます。発達した組織では、ミーティング毎あるいは場面毎にファシリテーター役を柔軟に変えながら運用することもあります。

ファシリテーションでは、集団としての成果や結果を生み出すまでの集団間に起こるプロセスを見立て、場をデザインし、またメンバー間の「コンテクスト(意図、背景、前提などの文脈)」の共有を促して場の質と集団プロセスを整えることで、メンバーたちが適応・創発・共創を生み出すことを支援します。トップダウンで「正解」を集団に伝えるやり方はほぼ機能しなくなってきた21世紀に働くマネジャーやプロフェッショナルにとって、必須のリーダーシップ技術と言って過言ではないでしょう。

ファシリテーション技術を学びたい方、組織のメンバーや利害関係者の協働を促進したい方、あるいはファシリテーション技術を戦略開発や組織開発、プロジェクト、マルチステークホルダー・ダイアログに適用したい方向けのプログラムです。

「ファシリテーションの基盤」研修プログラム

スイス・ジュネーブを拠点に国際的にファシリテーション・サービスを提供するブライト・グリーン・ラーニング社主宰アカデミーのファシリテーター養成プログラムの厳選人気コースを日本で提供します。

1日目及び2日目の「協働デザインコース」では、ブライト・グリーン・ラーニング・アカデミーの人気プログラムから厳選したモジュールの中から、2日間集中して学べるように再構成したプログラムを通じて集団の協働をいかにデザインできるかについて学びます。

ファシリテーション研修

1日目午前には、参加者相互がお互いとそれぞれのコンテクスト、そして自分自身について知るセッションを行い、それからファシリテーターに関する「協働の段階モデル」及び国際ファシリテーター協会(IAF)の「ファシリテーターのコンピテンシーモデル」を学びます。

1日目午後には、「どのように期待する結果(アウトカム)を設定するか」に関する講義、演習、振り返りを行って後、オープンスペースによって課題とグループを決め、翌日のファシリテーション実演のための準備を行います。

2日目午前には、「いかにグループの作業を進めながら同時にグループのダイナミクスに目を配るか」そして、「ワークショップ、ミーティング、及び全体の作業工程からいかにしてアウトプットを収穫するか」の2つのテーマに関する演習と振り返りを通じて実践的なステップを学びます。

ファシリテーション研修

そして2日目午後は、オープンスペースによって設定されたグループ毎にファシリテーション計画をデザインし、その計画に従ってデリバリー実演を行います。実演後、講師及び他の参加者たちからのフィードバックを受ける実践セッションを行います。最後は、ファシリテーションに使用するツールについて振り返り、全体のまとめと質疑応答を行います。

ファシリテーション研修

ファシリテーションの期待成果と応用場面

ファシリテーションによる期待成果は、多層に及びます。

1)結果(コンテント)の創造

ファシリテーションが最終的に目指しているのは、問題を解決したり、多様な人の間で合意を形成したり、あるいは、組織が目的、ビジョンを明確にして共有し、効果的な戦略やアクション・プランを組み立て実施し、その目標とする結果を生み出すことです。これらの結果は、話し合われる具体的な対象としてのコンテント(内容)が織りなす成果です。

2)組織プロセスの改善

コンテント上の結果だけではなく、ファシリテーションにおいては結果を創造する上で欠かせない組織プロセスの質を改善します。

例えば、革新的、創造的なアイディアを生むには多様なメンバーによる集団を構成する必要がありますが、そうした集団において話し合いがかみ合わなかったり、平行線や衝突に終わることも少なくありません。反対に、画一的な考え方の集まったメンバーでは、創造的なアイディアは生まれにくかったり、出されたアイディアが練り上げられることも少ないでしょう。また、組織の風土のために、新規のアイディアどころか、互いに率直な意見も出せなかったり、トップや周囲の顔色をうかがいいわゆる「お役所仕事」になったり、あるいは当事者意識のない「評論家」のような意見や他者に対して攻撃的な意見しか出てこないこともあるかもしれません。

どの場合でも、状況を打開するには、目には見えにくいメンバー間の関係性や場の力学、自己と他者に関する信頼・不信、理解・誤解や差異に対する態度など、さまざまな組織プロセスを見立て、整えることが必要です。ファシリテーションの技術をもつことで、組織プロセスを活性化し、コンテント上の結果を生み出しやすくする条件を整えます。

3)組織の協働能力

集団による場は、そこに集うメンバー達で構成されます。ファシリテーションは、第一に、意見をなかなか出せないメンバー達の本音の発言を容易にしたり、第二に出されたさまざまな意見が議論としてかみ合うようにしたり、第三に、対立・衝突する意見や葛藤を乗り越えるために互いのコンテクストを「見える化」して共通理解や合意を促したり、あるいは、第四に多様なメンバーの全体性や全体最適を遮る境界や個々の立場などの捉え直しを促し、人と集団の潜在可能性を最大限に引き出す支援を行ったりします。

ここにあげた3つめ、4つめのレベルは、ファシリテーションをもってしても一足飛びになしえるものではありません。しかし、ファシリテーションを重ねることで、集団としての話し合いのレベルを順次レベルアップしていくことができます。より高次の話し合いがしたいときにできる組織は、目的や文脈に応じて自在に話し合いの仕方を変えられるようになります。組織の協働能力、チーム学習の能力を高めることも、ファシリテーションによって期待できる効果です。

4)組織風土の改善

組織プロセスと組織の協働能力は相まって、組織風土と大きく関与します。組織風土が思考、会話、行動の様式にさまざまなプレッシャーを与えるからです。組織能力の向上を通じて、そうしたプレッシャーに気づき、意識上にあげて、エネルギーの流れをよい方向に流していくことを繰り返すことで、組織風土の改善も期待できるでしょう。

このようにさまざまな効果につながるファシリテーションは、さまざまな集団や場面で適応可能です。

職場、部署間、プロジェクトなどの会議運営

  • 上司と部下の間の「報連相」や1on1などのパフォーマンス改善
  • 経営チームのミーティング、理事会、取締役会などの運営
  • 事業と組織における課題設定、課題解決
  • 新規事業・製品・サービスや革新的なプロセス改善など、イノベーションや新規アイディアを生む創造プロセス
  • 共有ビジョン・戦略策定
  • 組織プロセスの効果と健全性を高める組織開発
  • 企業文化の醸成、融合
  • マルチステークホルダー・ダイアログなど市民や多様な利害関係者間の話し合い
  • アクティブ・ラーニングなど学習者主体の学習プロセス設計
  • 「変化の理論」をつくり「コレクティブ・インパクト」を生む社会変革
  • 自己啓発、自己の発達の促進

    など

過去の参加者のコメント

  • ファシリテーターとしての姿勢を学びました。ジリアン(招聘講師)の場に対するリスペクト、誠実さが勉強になった。
  • 自分自身のケースを振り返ったり、それだけでなくフレームを通して戦略を考えるなど、ダイレクトにフィールドに活かせる構成と内容でした。
  • 様々なツールとその活用について体系的に学べて良かったです。「アウトカム」「アウトプット」「プロセス」など概念が整理でき、お客様や私のチームメンバーとの共有認識づくりや合意形成に役立てられる情報が得られました。自分の傾向に改めて気づきました。

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