「自己主導型」から「自己変容型」リーダーへ

変化の担い手として組織や社会の変容を導くリーダーやマネジャーには新しいタイプの能力が求められます。今までのリーダー観は、環境に順応するようなよきチームプレイヤーではあるがともすると受け身の指示待ちになりがちな人材を脱皮して、自己を確立して課題解決や目標達成に焦点をあてる自己主導型リーダーがよいとみなされてきました。

しかし、こうした専門家型や達成者型のリーダーは安定した環境下の確立した組織ではパフォーマンスをある程度は高めることはできるものの、環境変化の激しく不確実な時代において多様性を活かすような場面では自己のものの見方に固執しがちであり、また、多様なメンバーで構成される人や組織の潜在性を活かす際に他者を見下しがちで抵抗を呼ぶことが少なくありません。組織や社会の変容を促すためのリーダーシップの鍵は、ハーバード大学ロバート・キーガン教授が提唱するところの「自己変容型」リーダーが求められます。

成人の知性の3つの階段（ロバート・キーガン）

自己変容型のリーダーは、社会や組織の大局の流れの中に先見の洞察や直観をもった上で、社会や組織に求められている変化の必要性について他者が気づく手助けをするだけでなく、自らもまた変化する自己変容をいとわず、自分自身の考え方や前提についても柔軟に変えていくことができるようになります。このような高い能力は、単に知識やスキルを学んで身につくものではなく、自分自身の姿勢やあり方を磨くことで得られます。「学習する組織」の５つのディシプリンや、発達理論を活用した「行動探求（アクション・インクワイアリー）」などの実践を日々重ねることで、早ければ１～２年単位でこうした知性を身につけていくことが可能であることを示す研究成果も出されています。

グローバル・リーダーの行動特徴とは

グローバルには、複雑、不確実、脆弱、曖昧な事業環境が日常となりつつありますが、企業、政府、国際機関などで活躍するグローバル・リーダーの中で「自己変容型」リーダーの比率は相対的に高く、バレット・ブラウンは評価の高いグローバル・リーダーに共通してみられる特徴を次のように整理しています。

1. 自己の生き様を大切にして、自己の内的基盤から日々の行動や発言を設計している
2. 内省を頻繁に行い、合理性を超えた知の活用やシステム理論などを活用している
3. 対象となる組織や市場や社会との間で継続的に関与する場を築いて対話や適応を支援し、自他・手段の発達を促している

チェンジ・エージェント社のリーダーシップ研修

組織のパフォーマンスを実現するのはリーダーではなく現場の一人ひとりのメンバーです。リーダーシップは、指し示す方向性に対して踏み出そうとするフォロワー無しには成立しません。リーダーには最前線で踏み出す役割もあれば、縁の下でメンバーたちを支える場面もあるでしょう。リーダーシップは、リーダーとフォロワーのつながりの質によって築かれます。

リーダーシップの型はさまざまです。さらに、メンバー、課題、状況に応じて柔軟に変えることが求められます。こうした型やスタイルのレパートリーを数多く持つ柔軟性と共に、リーダーは自分自身の強みや弱みを把握しながら「セルフ」つまり自分自身を上手に活用できる必要があります。

チェンジ・エージェント社では、リーダーシップの本質を考え、自己認識を研ぎ澄まし、自らのレパートリーを広げて柔軟性を高めるリーダーシッププログラムを提供しています。とりわけ、リーダーシップで求められる基本動作は、「聴く」「考える」「話す」こと、そして、どこでどのように人々と「関わる」かに集約されると言えるでしょう。行動と内省のリズムを確立し、いかにして、基本動作をより効果的に展開できるか、定着するまで繰り返し実践するプログラムを提供しております。

○自己変容型知性を発達させる「行動探求研修」

○適応を要する課題に向き合う「適応型リーダーシップ」

○学習する組織の概念を応用する「システム・リーダーシップ研修」

○システム思考を活用した「レバレッジの効いたリーダーシップ研修」

概念的スキルや対人スキルの開発においては、参加者が頭のレベルではなく心や体のレベルで理解するには、数週間から数ヶ月間にわたって数回の研修と合間の実践・振り返りの反復実習を採り入れることが有効です。リーダーシップ研修は、3日間研修から、3年間にわたるプログラムまでさまざまな与件でお受けしております。

ニーズに応じてプログラム／研修のカスタマイズしておりますので、ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。

導入実績

• 次世代経営者育成のための3年間に及ぶリーダーシップ研修（電子部品）
• 戦略開発、組織開発、リーダーシップ開発などをテーマとした役員研修（食品）
• 部長向け戦略マネジメント研修（商社など）
• 部長としての視野を広げ視座を高める人財組織マネジメント研修（電機）
• 課長・係長向け組織マネジメント研修（電鉄、建設、自治体、官庁など）
• 若手向けグローバル人材研修（商社など）
• その他カスタマイズの要望に応じた研修実績多数