サステナビリティ
生物多様性問題
日本は1992年に生物多様性条約に加盟し、今まで国家生物多様性戦略を3次にわたり策定し、2010年には日本の名古屋市で生物多様性条約の第10回締結国会議(COP10)が開かれる予定となっていることから、生物多様性問題への注目が高まっています。
2005年に発表された「ミレニアム生態系評価」では、生物多様性への過去40年にわたる広範な損傷から生態系サービスの多くが悪化し、将来は更なる悪化が見込まれて、人間の福利への大きな影響が懸念されています。経済的な損失は、森林サービスだけで今後50年間に世界のGDP総額の6%を失うと推定され、全生態系をあわせると世界のGDP総額の15-25%に及ぶとも言われています。
今後、さらなる生物多様性問題への対策が求められるところとなり、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けて、企業や自治体の役割の強化されていくことになります。
システム思考のアプローチが、生物多様性問題の理解に役立ちます。
- 人間に多大な便益を与えている生態系サービスは、個々の要素ではなく、生態系における要素間の関係性から生じる生態系プロセスによって提供されている
- 特定の生態系サービスの過度の利用がそのサービスの将来を脅かすだけでなく、ほかの生態系サービスを悪化させるトレードオフを作っている
- 生物多様性の喪失によって、非線形の不可逆的な変化を迎えるリスクがある
- 環境変化に適応するには、多様性と冗長性によるレジリエンスが重要な役割を果たす
チェンジ・エージェントの取り組み
チェンジ・エージェントでは、システム思考の理解が必要となる生物多様性問題について、その問題の構造の理解を助け、どのように企業が対応していくべきかの戦略策定の支援を行っています。
2008年8月に、日産自動車と国連大学の依頼を受けて、生物多様性分野の第一人者たちと一緒に「生物多様性とモビリティ」に関する専門家ダイアログを行いました。
また、国内の大手企業数社からの依頼で、生物多様性に関する勉強会や講演などを行い、経営陣はじめ社内でのこの問題への理解を促進する支援を行っています。
米国のシンクタンクである世界資源研究所(WRI)と協力し、「生態系サービス 評価〜生態系変化から生じるビジネスリスクとチャンスを見つけるためのガイドライン(ESR)」についてのトレーニングを修了していますので、今後日本でESRの導入を図りたい企業の支援を行うことができます。
さらに、チェンジ・エージェントでは、オープン形式のセミナーを開催しています。
■システム思考を心とシステム思考で学ぶワークショップ
2009年4月24日開催
■企業と生物多様性フォーラム
2009年5月13日開催
2009年1月30日開催
■システム思考とフィールド体験で学ぶ生物多様性〜生態系サービス評価アプローチ
2009年9月26ー27日開催
生物多様性に関する講演や研修のお問い合わせは、info(アット)change-agent.jpまでご連絡ください。