システム思考

Systems Thinking

社会編

アメリカ医療制度問題(1)

アメリカの現行医療制度下において、医療費が高いにもかかわらず、医療の質は必ずしも高くなく、また、医療サービス享受が不公平であるといわれています。これを説明する因果関係のひとつは次のようになっています。

プライマリーケア(一次医療)供給者数に比して、疾病や障害が相対的に増加すると、プライマリーケア供給者の充足度が減少します。供給者が足りなければ、医療サービスへのアクセスできないため、上質の医療サービスを享受できる機会が減少します。サービスを享受できなければ、疾病・傷害はますます増加し、死亡率・疾病率(医療の質の指標)が悪化します。

疾病・傷害が増加すると医療費は増加します。さらに、プライマリーケア供給者が十分足りていない場合、本来非緊急の患者による専門医や緊急病棟(病院)の利用が増加するので、医療費はさらに高くなります。

また、医療サービスのアクセスが不十分な状態では、経済的に豊かな人や保険を持っている人が優先されるので、貧しい人や保険を持たない人のアクセスが制限され、上質の医療サービスを受けることもできなくなります。また、医療サービスへのアクセスは、医療の不公平性を高めます。

ループ図 見る

続く:アメリカ医療制度問題(2)

※このループ図は、米疾病管理センター(CDC)のボビー・ミルスタイン氏らによる論文「The "HealthBound" Policy Simulation Game: An Adventure in US Health Reform」を元に作成しています。

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