システム思考
Systems Thinking
経済編
世界の食料生産システム(1)
過去50年間、さまざまな食料分野において、生産量が上がり続ける一方、価格は大幅に下落しました。どのような構造が、このパターンを作り出しているのでしょうか。
(人口増加と嗜好変化から)食料への需要が増加して、生産量を押し上げます。
生産者は、生産からあがる利益を再投資することによって生産能力を伸ばし、さらに生産量を増やします。
生産量の増えた生産者はマーケティングなどの努力によって需要を開拓します。また、生産者同士の激しい競争から、価格は低下し、さらに需要を刺激します。
本来ならば、価格低下によって供給が抑えられるはずですが、世界の農業ではそれが起こっていません。補助金や兼業による収入補填、代替作物への転換障壁があるからです。
生産者は価格低下に対応するために、効率を高め、規模(スケール)を拡大します。その結果、生産能力はさらに高まり、生産量があがって、さらに価格低下を招く悪循環を作り出しています。
こうして、生産量は上昇傾向を続け、価格は下落していったのでした。
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