システム思考

Systems Thinking

システム思考のアプローチ

システム思考は、複雑な状況下で変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化を創り出すためのアプローチです。問題の見えている部分を近視眼的・表層的にとらえるのではなく、全体像をさまざまな要素のつながりとして理解し、本質的な原因を見通して、他の分野や将来に悪影響を及ぼさない、最も効果的な解決のための働きかけを考えます。

システムに働きかけるとき、システムには独自の目的やルールがあって、それらを勘案せずに施策を行ってもシステムはたいていその施策に対して「抵抗」します。システム思考は、この抵抗を予期することで適切に対処し、広がりのある働きかけを意識して解決策をデザインすることを目指します。

また、問題が起きたとき「外部環境がわるい」「あのひとのせいでああなった」など外部や他者に原因があると考えがちです。実際には、同じ環境下でもよりよく行動する組織や人も多く、また、特定の人間関係もその相互作用が生み出すものであることから、自分自身がどのようにそのシステムの一部となっているかを認識することが大切です。自分たちとのつながりを探り、自分たちが与えている影響や、働き掛けを考え、自ら望ましい変化を創り出していくことができるようになります。

システム思考を修得することによって、真の解決策を創り出し、変化を加速することができるようになります。 システム思考は、目の前の問題が実はどのような要素のつながりで起こっているかを考えることができるだけではなく、部門内・部門間・社内外のコミュニケーションにも大変役に立ちます。世界では、マスターカードやデュポン、GM、DECなど大小さまざまな企業がシステム思考を導入して業務改善、組織開発、戦略策定などに応用しています。こうした導入企業は、根本から戦略を見直し、業務を抜本的に改善したり、部分最適による大きなムダを排除することによって相当規模の売上改善、コスト削減、利益向上をもたらし、組織全体が組織の使命をより効果的に実践するなどの効果を生み出しています。

システム思考はこんな場面で、
新しい視点と有用なツールを提供します

  • 複雑なビジネス環境下においての事業戦略立案と遂行
  • 部門・機能別に分かれた組織運営について綜合の視点から全体最適を図る
  • 多様化する企業の社会的責任の実践
  • ステークホルダー(利害関係者)と共通理解を築くコミュニケーション

氷山モデル

システム思考のプロセス

問題をつくり出したのと同じレベルの思考では、その問題を解決することはできない。

――アルベルト・アインシュタイン

ものごとの見方を学びなさい。
すべてのことが他のすべてのこととつながっていることに気づくだろう。

――レオナルド・ダヴィンチ

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