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ループ図とは?
ループ図とは、関心のあるシステムの主要な要素及びそれらに影響を与える要素、影響を受ける要素を列挙し、要素間の因果関係を矢印で結びながら、要素間の相互作用(フィードバック)の構造を図式化するためのツールです。
観察や記録、関係者の証言などに基づいて、時系列変化パターングラフに描かれた「今までのパターン」「このままのパターン」がなぜ起こるか、その構造を説明するものです。また、関係者が納得できるループ図を描いた後に、対話によってシステムの全体像や根本への理解を深め、効果的な働きかけを探るためにも用います。
英語では Causal Loop Diagram といい、CLDと略して呼ばれ、日本語では「因果ループ図」と訳されることもあります。
ループ図の表記法には、システム・ダイナミクス学会などで定められた基本ルールがあります。このルールを覚えることで、さまざまな分野、さまざまな課題について描かれたシステムを比較的短時間で理解することができます。
ループ図を読み解くポイントは5つです。
- 変数
- 矢印
- 影響の向き(Same/Opposite)
- フィードバック・ループの種類
- フィードバック・ループの名前
ループ図は、複雑なシステムを読み解くのにより適した「言語」と捉えるとよいでしょう。文法の基礎を学んだら、現実に起こっている具体的な事象のストーリーを描きましょう。そうすることで、ほかの人たちとの間で、ダイナミクスの原因に関する仮説を即時に把握すること、個人やチームのメンタル・モデルを引き出し把握すること、問題を起こしていると考えられる重要なフィードバックを伝えることができるようになります。同時に、見逃しているフィードバックや、今後支配力を増していくフィードバックに気づき、適切な手立てを打つことも可能になります。
フィードバックはすべての挙動にかかわる根本的な存在であるため、私たちが吸いこんでいる空気と同じように、目には見えない。それはまさに人の「行動」と同じである。私たちは、自分自身の行動については、その結果から生じるフィードバック効果以外は何もわからないものだ。
ーートマス・パワーズ(心理学者)