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弊社では、2022年度にインターン生として受け入れていたカメルーン出身のヌムフォール・ソランジュ博士(以下ソランジュさん)が中心となって発足した、カメルーンPC寄贈プロジェクトと若者向けシステム思考教育プログラムへの支援を実施いたしました。
ソランジュさんは、東北大学大学院で環境マネジメントの博士号を取得しており、カメルーンでは、ヌムフォール・ソランジュ財団を設立してリサイクルや廃棄物管理などの課題に取り組んでいます。
PC寄贈プロジェクトは、ソランジュさんの出身地リンベにおいて、地元の先生たちとの話合いから学校の生徒たちのコンピュータリテラシーの向上を支援するために発足いたしました。
現在カメルーンでは、初等教育に該当人口の9割、中等教育には5割弱の子どもが入学していますが、その内eラーニングにアクセスしたことのある学生は、約16%にとどまります。コンピュータの台数自体が少なく、1台のパソコンの周りに生徒が群がっている光景は珍しくありません。より多くのコンピュータがあれば、生徒たちは実際にパソコンに触れることによって、より良い教育を受けることができますし、情報を持つことで生徒たちのエンパワーメントにも繋がります。
弊社では、この活動を支援するため、PCを寄贈して下さる方や寄付をして下さる方を、WEBページやFacebook等で呼びかけました。
その結果、8台の中古PC現物給付と50,000円の寄付金を募ることができました。寄付金については現地で中古PC2台を購入する費用に活用し、合計で10台のPCが、カメルーンのリンベに在るファブール技術総合カレッジ(中学校・高校に相当する)に設置されました。
設置されたPCには、ヌムフォール・ソランジュ財団とチェンジ・エージェント社のロゴステッカーが貼付されています。
もう一つの若者向けシステム思考教育プログラムでは、PC設置のためにソランジュさんが帰国し、同カレッジの教壇に立って、生徒たちにシステム思考の基本を伝えました。
弊社からは、ソランジュさんに対してインターンを通じてシステム思考の教育法について学んでもらい、また過去チェンジ・エージェント社が支援しているナミビアでのコミュニティ向けシステム思考教育の実施団体とつなぐことでアフリカでのシステム思考教育の実践やその成果について共有しました。
生徒たちは、ソランジュさんから学んだシステム思考を「コンピュータ教育」「地球温暖化」「廃棄物管理」の3つテーマごとのグループに分かれて活用し、その発表会も行われました。PCの寄贈と発表会当日にはセレモニーが開催され、複数の現地テレビ局、新聞社、ウェブメディアで取り上げられました。
(The Guardian Post, Apr 24, 2023)
ソランジュさんは、今後システム思考を伝える事を通して、同じようにシステム思考教育を実践する人を育成することを目指しています。
我々も、ここで学ぶ生徒たちが望ましい未来の創造に取り組む変化の担い手になっていくことや、それを支援する役割を担ってくれることを願っております。
板橋 唯蕗