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【修了生座談④/4】チェンジ・エージェントアカデミー ~社会の変容に向けて~

2021年12月15日

チェンジ・エージェントアカデミー修了生の話を掲載しています。

アカデミーの学びとリーダーシップ、今後に向けて

堺さんアカデミーで学んだコンセプトは生かしているかなと思います。「裸の男」にあるように、躍り続けていきたいと思います。

システム思考的に、自分がやっていることは、果たしてインパクトを与えられているか?という発想をできるようになった、ということは学んだ結果です。
とかくアクションすることに夢中になってしまうと、それはそれで楽しかったり達成感があるので目的を置き去りにしてしまうことがあります。本来社会のために与えたいインパクトがあったからそのためにこの手法を選んだのに、やること自体で新たな方向が生まれてくるので、本来何のためにやろうとしたのか?ということからズレてしまうことがあります。
変革を求めていると言いながら、強いこだわりで他を受け入れない団体もあります。そうした団体はフォロワーがいなくなっていき、そのうちに高齢化して、若い人がついてきません。端から見るとその構造が見えますが、そうした団体は増えているように思います。

市民団体で30年くらい前にバリバリやっていた方々の団体にそのような傾向がみられることがあります。

鬼木さん当時、経済成長期に立ち上げられたNPOは、今の若い人たちと随分感覚が違っている部分もあるように見えますね。

Q.うまく変化に適応できている事例はありますか?

堺さん:この団体をそうしたいと思っています。組織体が、時代やニーズ、熱量をキャッチしながら、生き物のように変化しながらも、必要なことができるようなレジリエンスの力をつけたいと思っています。SDGsの文脈だと、多様な人が関心を持ってくれるので、若い人とも早い段階から比較的フラットに一緒にやっていけます。僕たちが実施した講座の受講者も仲間に引き込んで実施側に入ってもらっています。
たとえば、ある高校生には、ネットが得意なのでMiroを使ったファシリテーションを依頼すると「やりたかった」と喜んでやってくれます。意識して巻き込むように努めています。固執しすぎないように、ソーシャルインパクトを意識しながら、それにちゃんと資する取り組みは何だろう?その時に必要なことは何だろう?さらに自分だけでなく、かかわるメンバーにもそういう目線で関わるときに考えてもらってやっていくカタチを意識しています。

Q. 世代間格差をどう乗り越えるか、または私たちがどうつなぐかが大切ですね?

堺さん:意識しています。

効率主義では、専門性を特化することで一見良かったけれど、"狭間"が置き去りになっていたんじゃないかと思います。いよいよ看過できない状況になって、自分たちに時間の遅れも伴って返ってきているのではないでしょうか。私たちが"狭間"に介入していくしかないのではないでしょうか。いろんな違いの狭間がある。所属や専門性、年齢、性別、イデオロギー...。そこに答えはないけれど、補完することや何とかすることが、まさにトリートメント、コーディネートの役割ではないかと、そのような働きをしようとしています。

鬼木さん:一般に、世の中では上から指示が落ちてきて、下が思っていることを上申できない状況がたくさんあります。その狭間を埋めることで、双方向にする、ということが大切だと聞きながら思いました

堺さん:誰一人取り残さない、ということについても、普段の生活ではあまり触れませんね。特に支障がない多数の人には顕著です。同じ生活ができないことを知る、ということも、少数派の話を聞いて、初めて、そんなことになっていたの、そんなつもりではなかったんだけどね、となります。意図的なこともあるけれど、多くが、知らないがゆえに悪気はなかったんだ、と双方に気づきがあることが見られます。

果たすべき役割はあります。若い人たちの意見を上の世代に伝えることもやその逆といった媒介役です。淡水と海水の狭間の汽水域。生態系の話でもエコトーンと呼ばれる、狭間の部分がバラエティに富んでいる。狭間の部分にヒントや見落としがないだろうか、と感じています。

鬼木さん:東洋的な考え方ですよね。

堺さん:システム思考のイメージは、物事を分割して考えなかった時代の、プリミティブなものを連想します。たとえば、縄文の人、先住民の方も、情報のとり方も私たちと違うのではないか。いろんな情報を統合的に判断したり、天気や感情や欲求、空腹と素直に対峙しながら生きていたのではないでしょうか。僕たちはそこからずいぶん離れてしまいました。システム思考という概念をもらうことで、統合的なほうへ気づかせてもらえます

鬼木さん:論理思考が西洋的で閉鎖系。システム思考が東洋的で開放系のイメージを持っています。論理思考は枠が決まっている閉鎖系の問題を解くのにはすごく向いているが、複雑に絡み合っていたり、解決策に外部性を意識しないと解決できないような場合には、システム思考と東洋思想にいく必要があるのではないかと整理しています。

Nさん:話していて、仲間がいることが大事だと感じました。その仲間が今いない。自分が思っていることを間違っていても良いんだけれど、それを話す相手がいないことがないと気づきました。

堺さん:Nさんの話から、会員にも仲間を作るために参加している、という方もいるだろうなと改めて気づき、そういうことを汲んで、活動を進めたいと思いました。
プラットフォームという名前をつけた以上、どういう働きをする必要があるか、明確に打ち出せていない状況を抱えながら、受託事業などを回すことに日々追われがちなので、プラットフォームとしての機能を果たしたいな、と思いました。

≪チェックアウト≫

堺さん:楽しかったし、刺激になりました。いろんな場所で熱量を持って活動していることが分かりました。個人作業が多いので萎えることも多々ありますが、皆さんが頑張っているということが分かるだけで励みになります。

Nさん:自分でアクションしていない話を聞けたことが有意義でした。実際の活動を聞くとエンパワーされます。NPOの持っているビジョン・ミッションと個人の価値を融合させる、そして、その価値に沿った行動計画を立てるためにも、価値へ行く手前の、自分のし好を見つめる、ということにシフトチェンジしています。どこかで皆さんと活動がつながるのではないかと感じました。人を中心にシフトしていきます

鬼木さん:やり始めようと思っていることは「ビジョン2050」の作成です。マインドマップを結構描くのですが、2050年に個人がどうあってほしいかから始めて、個人、大人、子供、一人一人がどういう状態になっていれば良いか?個人から家族、地域、コミュニティ、市、県、国、リージョン、全世界、環境、経済、食、エネルギーなどが2050年にどうなってほしいかを描き始めました。これを共有できる人と作りたいと思っています。右側にビジョンを描いて、現状を左に描いていきます。ビジョンと現実を描きながら、個人から始めることが大切だと思いました。県レベルあたりから私には考えるのが難しくなり、国の役割となるとこうかなぁと考えながら作っていきます。究極的にはどうあるべきかを突き詰められます。完成することはないけれど、Miroボードで見てもらいながら共同作業で付け加えてもらえたら面白そうだと思いました。

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