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NPOのClimate Interactiveとマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で開発したエネルギー・気候政策シミュレーター「En-ROADS」の日本語版が2021年6月3日リリースされました。
このシミュレーターでは、エネルギー及び気候変動政策の実施・強度を調整することで、温室効果ガスの排出量や大気濃度、気温上昇、海面上昇、経済などにどのような影響が出るかをシミュレーションできます。
例えば、職場や学校、市民の集まる場で、次のような問いを探求するために活用できるでしょう。
・自社・業界が推進する施策が世界規模で展開された場合、どれくらいのインパクトを生み出すか?
・世界のエネルギーミックス、カーボンプライシング、森林政策、炭素除去の技術開発などそれぞれの政策及び組み合わせのインパクトはどれくらいか?
・気温上昇をパリ協定で合意した2度あるいは1.5度目標以内に抑えるにはどのような政策の組み合わせが有効か?
・人口、経済活動、エネルギー政策、炭素サイクル、気候システム、地形などさまざまなシステムの間でどのような相互作用があるか?
今後、En-ROADSの使い方、ワークショップなどこのウェブサイトでもご案内していきますが、まずは習うよりも慣れることです。以下のステップで、政策レバーやグラフ選択などを試してみてください。
https://en-roads.climateinteractive.org/scenario.html?v=21.8.0&lang=ja
1)上メニュー一番左の「English」を「日本語」に切り替えます。(上記URLは選択済み)
2)左グラフのスペースでエネルギーの一次需要、最終消費、ミックスなどの2000年からの過去推移と2100年までのなりゆきを確認します。
3)エネルギー政策を、「関連する例」などを参考に、現状からどの程度奨励あるいは抑制するかをレバーで調整します。該当箇所をクリックするとさらに詳細な政策選択肢を調整できます。
4)右グラフで温室効果ガス排出量や2100年の気温上昇へのインパクトなどを確認します。黒線のベースラインに比べて、選択した政策の効果が青線で表示されます。グラフや気温上昇数値の変化を確認しながら、レバーをいろいろと動かしてみます。
5)政策の検討が終了したら、右上の「シナリオの共有」ボタンを使って、記録や共有をします。
このシミュレーターの基本モデル構造は別途ご案内します。また、技術開発や需要、気候、経済影響などの前提、感度については、シミュレーションメニューの前提諸元から確認し、また、前提を調整することも可能です。
なお、エネルギー政策の代わりに、各国・地域の温室効果ガス削減目標などを調整するシミュレーター「C-ROADS」の日本語版もありますので、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
差し迫る気候危機に対して、日本の政府、企業、市民組織など目標や戦略の見直しが急速に進んでいます。気候やエネルギーに関するリタラシーについて学ぶことは、成人にも未来世代にも必要になってくることでしょう。地球市民として、あるいは学校や職場、地域として、このツールを使いながら、議論、対話を深め、慣行や戦略の見直しに活用いただけたらうれしく思います。