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加速的に進行する地球温暖化のさまざまな悪影響が、企業にも待ったなしの対策を迫りつつあります。京都議定書で定められた日本の削減目標は2008~2012年の第一約束期間に1990年比6%、先進国全体で約5%の削減目標ですが、その程度の削減では地球温暖化防止は到底かなわないことが明らかになってきました。そのため、欧州では60~75%削減という目標設定を進めている国が増えつつあります。
規制であれ、自主的取り組みであれ、企業への温暖化ガス排出削減への圧力が今後格段に強まることは間違いありません。わが国の企業は地道な努力と改善の積み重ねにより6%削減に向け大変な努力をしていますが、改善的手法だけで対応するのでは限界があります。企業は、温暖化の全体像を把握した上で、今までの取り組みの延長にはとどまらない抜本的な取り組みを迫られることになるでしょう。
このような現状を踏まえ、2006年11月15日、欧米を本拠地に世界各地の政府・企業に持続可能な経営の戦略を指南するコンサルタント、アラン・アトキソン氏を招き、フォーラム「地球温暖化防止 企業の戦略的アプローチ:現状を打破する次の一手」(主催:(有)チェンジ・エージェント、共催:日経BP環境経営フォーラム)を開催しました。温暖化に対する世界各国の対策、温暖化に関するシステム思考的な分析、そして世界の先進企業の対策の事例をシステム思考の視点から紹介し、おかげさまをもちまして満場のご来場者に高く評価いただきました。
このフォーラムの内容をもとに、PDFでダウンロードしてごらんいただける資料を作成しました。各企業で温暖化対策や社会的責任活動の企画や実施の最前線にいらっしゃる方々にとって、「煮詰まり」解消のお役に立つ内容を盛り込みました。もちろん、温暖化対策はこれからという企業や自治体の方にも活用いただける内容です。
6%の削減は最初の一歩に過ぎません。60%もの削減が求められる時代がすぐにやってくることでしょう。現状の取り組みの手詰まり感を打破し、真に有効な次の一手を考えていくために、ぜひ本誌をお役に立ててください。
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「地球温暖化防止 企業の戦略的アプローチ:現状を打破する次の一手」
(一括ダウンロード、PDFファイル 2,507KB)
○はじめに
○気候変動に対する企業の役割と責任
今再び、「箱の中」で考えよう
気候変動―いかに迅速に対処するか
ハリケーン・カトリーナがもたらした変化
ドキュメンタリーの力
コストから投資へ
気候変動に対する企業の責任
グローバルな課題にローカルに取り組む
7つの「くさび」で考える
新たなビジネスチャンスの到来
取り組みの違いが生むブランド力
将来のビジョンに向かって
○地球温暖化をシステム思考でとらえるヒント
○システム思考で経営を変える、世界が変わる
温暖化対策が企業の価値を高める
大局的に、複眼的に、長期的に
「リスクから報酬へ」を体現する大企業
ループ図を広げて見えてくる新たな取り組み
"Less Bad"から"More Good"へ
自社商品・サービスの社会的インパクトを考える
ダウ・ケミカルの3つの勝因
世界に広がる優良事例
ポートフォリオ型の温暖化対策
エネルギー効率がブランドになる時代
温暖化対策で試される適応力
参考資料: 世界の企業の先進事例(The Climate Group "Carbon Up, Profits Down" 2nd Editionより、PDFファイル2,096KB)