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システム・リーダーシップとは?
システム・リーダーシップとは、システム規模での変革・変容を生み出すために必要となる集合的なリーダーシップです。
ピーター・センゲらは、「システムリーダーシップの夜明け:変化を起こすのではなく、変化が生まれるように導く」※1の中で、システム・リーダーとは「問題に関わる多くの人々を支援し、「自分も変わるべきシステムの一部なのだ」と気づかせ、それぞれが変化を起こせるように導く存在」であるとしています。また、システム・リーダーのコア能力として、1)より大きなシステムを見る能力、2)内省とより生成的な対話を促す能力、3)集合的なフォーカスを反応的な問題解決から未来の共創へと移行する能力を挙げています。
歴史に残るシステム・リーダーには、インド独立の父マハトマ・ガンジー、黒人公民権運動を進めたマーティン・ルーサー・キング牧師、そして、ネルソン・マンデラなどが挙げられます。日本でも、明治維新を実現した志士たちの集合的リーダーシップを育んだ吉田松陰や坂本龍馬などがシステム・リーダーにあたると言えるかもしれません。
システム・リーダーシップを推進するエンジンとなるのは、「志を育成する」力です。自己マスタリーを高めそれぞれの個人の想い、情熱、志を育み、そうした個人たちの間で絆や共有ビジョンを築くことがその主軸にあります。21世紀におけるリーダーシップの要は、自己認識を通じてレジリエンスのある内的基盤を築くと共に、自己変容や相互影響による適応能力を高めることにあるでしょう。
※1 ピーター・センゲ、ハル・ハミルトン、ジョン・カニア「システムリーダーシップの夜明け:変化を起こすのではなく、変化が生まれるように導く」、スタンフォード。ソーシャルイノベーション・レビュー日本版(2021年9月21日)
原文:Peter Senge, Hal Hamilton & John Kania "The Dawn of System Leadership", Stanford Social Innovation Review, Winter 2015
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